ボーカロイド・cevioなど電子音声系の音楽制作ワークフロー・パラメーターなど
| 更新: 2024/05/18 | 2931文字
管理人は普段サイト『ネットで曲アレンジサービス』も運営しましたが、まれに(350曲中10~15曲程度)、『歌メロがボーカロイド』の曲をやることがありました。ブームから10年以上経過し、ネット上では定番ジャンルになってるだけあって全体的な作り込み度合いも上がっており、競争が厳しい部分はあります。
とはいえ、工程は全部生演奏・生ボーカルに比べるとフットワークが軽くなるので、活動の一形態として検討してもよいでしょう。このページでは、『当サイト管理人の活動例』や『ワークフローで必要なこと』を確認していきましょう。
目次
当サイト管理人の(プライベートでの)電子音声系曲制作
『ネットで曲アレンジサービス』のWebサイトでは、特に大っぴらに書いていませんが(頼まれたことはあったけど、大っぴらに宣伝して受け付けているわけではない)、プライベートでも作っていたりしました。大まかに2つの音声合成エンジンのものを紹介します。
Cevioクリエイティブスタジオを利用したボーカル曲
ボーカロイドとは合成エンジンが違いますが、電子音声系でいうと『Cevioクリエイティブスタジオ』をメインに使っていた時期があります。 PVや洋楽リミックス・アレンジものなどを、YouTube・soundcloudなどに投下していました。後半のバージョンはベタ打ちでも人間らしさがアップしていましたね。
今はサードパーティボイスも充実した新バージョン『Cevio AI』や姉妹ソフトの『voisona』もあります。管理人が今後M3などのコンテンツ即売会に出展するときは、歌い手さんに頼むか、Cevio/voisonaあたりで行く予定です。
ボーカロイド曲
YAMAHAのボーカロイドエンジンの音声合成ソフトウェア系のものも、数は多くないですが、いくつか作っています。手描きPVも作ったりしましたし、公開していないストック曲も何曲かあります。おそらく、ボカロPみたいな活動はしないと思いますが(笑)、クリプトン系のキャラには馴染みがあるので、曲作らなくてもpixivでイラスト見たりして楽しんでいます。
ボーカロイドなどの電子音声系曲のときのワークフロー
以前あった、(依頼者がクリエーター・作家)ボーカロイドの歌音声ファイルができている場合でのワークフローです。こちらではアレンジのみ行いました。依頼者がソフトを持っていてというのは、ライセンス的にはシンプルです。『当サイト管理人がボイス作成まで行ってプレスCDに~』のような用途では、メーカー問い合わせが必要になります。第三者に利用許諾にあたるので。
YouTube・ニコニコ動画・soundcloudなどで他クリエーター楽曲をチェックしまくり、最近のトレンド・ライバルのレベルを押さえる
なぜこの作業が必要かというと、電子音声のジャンルは『新規参入が激しい』からです。ちょっと目を離していると、『少し前のプロレベルのアマチュアがどんどん出てくる』『プロが参入する』という状態に。 依頼者が気づいてなくても、リスナーも耳が肥えていますので、遅れを取らないようにします。もちろん他の案件でも、ライバルのレベルをチェックして、対抗できる・超えられることを狙います。
SNSでは『Pと繋がりたい』みたいなハッシュタグおよび検索・soundcloudでも『各種キャラ名やソフトウェア名』のハッシュタグおよび検索で探せます。各種動画サイトでも『ランキングを作ってくれるユーザーの動画』『投稿日・期間指定・再生回数・評価ソート』を駆使してチェックします。
ヒアリング後にアレンジ
要望をヒアリングしてアレンジに入ります。要望で聞いた部分と、最近のトレンド・ジャンルなどを加味して進めていきます。
(調声を行う場合)効果的なパラメーターを押さえる
こちらでは、ボカロボイストラックなどはやりませんでしたが、パラメーターを押さえておくのは必要かもしれません。出音に直結する効果的なパラメーターというのがあるからです。例えばyamahaボーカロイドエンジン&cryptonピアプロエディタの場合だと・・・
このような感じでいくつかのパラメータがあります。中にはピアプロエディタを使わないでdawミックスで対応できるものがあります。例えば『BRI(ブライトネス・上げると高域がでて明るくなる)』は、イコライザーで帯域指定して上げる・エンハンサーで倍音をくわえるなどです。
『POR(ポルタメントタイミング)・音程が滑らかに変化するタイミングを前後に調整』 『GEN(ジェンダーファクター)・低いと渋い声、高いと甲高い声』 あたりは、全体で指定してやっても良いでしょう(もちろん、セクションごとにニュアンス変えもできます)。
『BRE(ブレシネス)・息の強さ、上げるとファンキーな感じに』 『OPE(オープニング)・口の開け具合、低いと、もそもそした感じに』 『PIT(ピッチベンド)・音程変化』 などを音符ごとに設定していきます。
daw上で3声などかさねる
依頼者からボカロの声パートをおくってもらったので、作業はアレンジとこの部分になります。オケの楽器音もみながらミックスできるので、ボリューム調整は、daw上のほうがやりやすいかも。1音1音調整しても、そこまで長時間にはなりません。
電子音声でコーラス・パートを作る場合は、ボーカロイドの場合は『GEN(ジェンダーファクター)』を変える、他ソフトでも『フォルマントを変える』などで音色を変えておくと、多人数でやった感じが出やすくなります。基本的には、平歌・verse部分は1~2声、サビ・chorus部分では3~4声になることが多いです。また、合いの手フレーズを入れたりすることもあります。
フォルマントを変える、リバーブなどで少し散らす
ここらへんは実際の歌mixでもやるかもしれませんが、いちおう紹介。まずは3声くらい重ねたとき、フォルマント変えておくという点です。 メインじゃないパートは、だいたいこんな感じでフォルマント変えてます。
また、曲の雰囲気によっては・・ ルームリバーブなどで散らすこともあります。普通のポップスだとメイン歌部分にガッツリリバーブはないんですけど、トランス系とかではそれを逆に利用しているケースもあります。
あとがき・まとめ
管理人はボーカロイドなどの電子音声系楽曲は専門じゃないのでよくわかってないんですけど、上記のような点は気にしながら作成行いました。有償で請け負う、というのは今後もやらないけど、個人的になんか動きは見せたいところですね。
【カテゴリ】- 楽曲アレンジ・ミックス
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