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勇壮なるメロディーを奏でる方法~ポイントはマイナースケールの♯Ⅵ(スケールでいうとドリアン)

更新: 2024/02/16 1799文字

今回は、『せつなげ・悲しげ』とされるマイナースケール(短調)を使用しつつも、勇壮で強そうなメロディーを奏でる方法をご紹介したいと思います。ポイントは#Ⅵの音。どういう響きなのか、事例はどんなのがあるかなどを見ていきましょう。

#Ⅵってタイトルにあるけど、通常マイナースケールとどう違うの?

ポイントはⅥ度(Amキーではファ)を半音上げるだけ

201505012

わかりやすいように調号がないキーで書いてみました。この音階でメロを奏でましょう。また、この音階はjazzなどでアドリブでソロ回しをしたりする方は『ドリアン・スケール』と呼んでいます。 m7コード部分を処理する場合の選択肢のひとつとして、よく使われます。もちろん、作曲やアレンジにもどんどんつかってOKです。

メロディーに#Ⅵを混ぜた場合、和音進行はどうするの?

Amキーの場合『Dm→D』『Bdim→Bm』のように変えると、和音とメロがぶつからないでしょう。進行も#Ⅵ音に合わせたものにするとokです。

こういうマイナーキーに#Ⅵを絡めたメロディーの楽曲ってどういうのがあるの?

かなり限定された範囲内ですが、実例を探してきました。耳コピで楽譜にしてみました。 この響きゆえに、強そうな曲が多めです(または、勇壮なシーンにこの音が多いので、そういうイメージを持ってしまっている)。一部分だけ引用です。気になったら是非曲名で検索してください。

ゲーム、ドラクエ4のフィールド曲

201505013 管理人はこどものとき、ファミコン(昔はゲームといえばこれだった)で、ドラクエをプレイしました。おそらく、DQフィールド曲では屈指の強そう感・勇壮さをかもし出す曲。#Ⅵ入れたマイナースケールはばっちりハマります。

マイルスデイヴィス/so what

201505014 この記事の趣旨とははずれますが、ドリアン・スケールの特性音が#Ⅵということでご紹介。かつてトレンドになった『モードjazz』の手法をチェックする上で、外せない楽曲です。

ゲーム、Gran Turismoオープニングテーマ/ムーンオーバーザキャッスル

201505015 BPM&アレンジで速さを、メロディで強さや勇壮さを表現する、車レース系の楽曲。さび部分にこの音をつかったメロディが出てきます。

イングランド民謡 スカボローフェア

201505016 サイモン&ガーファンクルが歌ったバージョンが非常に有名な楽曲。おとなしめのアレンジで演奏されることが多いので弱そうに見えますが、歌詞を読みこんでいくと強さを感じさせます。#Ⅵ音はここでもよいアクセントに。

管理人が作った実例とかないの?

ちょっとつくった例(ダンスミュージック)

とりあえず、既存楽曲ばっかり紹介するのもアレなので、シンセサイザーを弾きながらサクっと作ってみました。ダンスミュージック調です。この記事ではメロディみたいにという流れできましたが、リフに使ってもokです。

ssf曲(ヒーロー映画予告・サントラ風、勇壮エピック曲)

管理人が運営している、著作権フリー曲サイトSSFに載せた楽曲です。トロンボーンがメインメロディを奏でるパートがあり、そこにマイナーに#Ⅵを入れたメロディにしました。

こんな感じです。キーはEmで、和音進行は『Em |A |D | G B』となっています。アレンジが壮大なのに加えて、このメロディで勇壮な感じになりやすいと思います。

あとがき・まとめ

  • マイナースケール(短調)に#Ⅵを入れると、勇壮なメロを作りやすい(難しい言葉で、ドリアンスケールともいう)
  • 和音は、#Ⅵに合わせて構成音・コードを変える
  • 既存楽曲でも、強そう・勇壮なシーンに使われがち

まとめると、こんな感じでしょうか。メインメロディーやリフなどに使いましたが、メロ合間の合いの手、オブリなどいろいろ使えます。ちょっと強そう・勇壮な雰囲気を楽しんでください。


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