【コード進行】マイナー進行を、3度位置調整・7度&11テンションでフワッとした感じに
| 更新: 2024/02/16 | 1870文字
今回は、管理人がYouTubeなどに楽曲を投下する際、つかってみた手法を紹介します。マイナー系コード進行でも、ガッツリ悲しげな感じにせず、ふわっとしたのを狙いました。曖昧な言い回しで分かりにくい、『楽曲の浮遊感』みたいなものを、理論的に解き明かせるかもしれません。さっそく、『よくあるパターン』や『テンション・7thでふわふわにしたパターン』を確認していきましょう。
目次
よくあるマイナー系のコード進行
お題のようにいじる前に、まずは定番なマイナー系の進行をおさえましょう。全体的に、マイナー・暗い感じとされることが多いコードです。
普通な(笑)、Ⅰ→Ⅳ→Ⅴで、ドミナントはマイナーコード
これは定番中の定番です。マイナーツーファイブがない分ソフトで、ポップスでセツな系にしたいときは重宝するかもしれません
強いマイナー感が出るマイナーツーファイブ
上記のより悲しげな暗い感じが出やすいコード進行です。ポイントは♭5&ハーモニックマイナー由来の、ドミナントセブンス。
よりガッチガチにしたいなら、Ⅰに9th、Ⅴに♭9th&♭13thテンションなど
マイナーキーのダイアトニック(調性内)テンションを。特にガッツリマイナー感が出やすいのはコレでしょう。
テンションや音色の配置かえで、中性的でふわっとした感じに
というわけで、よくあるマイナー系進行をおさえた後は、和音の構成音を別テンションに置き換えたり、音色やレンジを変えたりして、マイナー感を緩和していきます。今回は、以下の3通りの手法を使ってアレンジしてみました。
マイナー7thコードとは相性の良い、11thテンションを積極的に配置
11thは順番に数えて4thのオクターブ上になります。それゆえメジャーコードでは3rdと半音でぶつかりアボイドとされがちですが、マイナー系ではガンガン使えます。『マイナー特有の悲しげ・セツナさはそのままに、どっちつかずな感じ』を演出したいときにどうぞ。
コード雰囲気を決定付ける音(3rd/7th)は、padにして高音域に配置
お題トラックではpfが大き目の音でなっていましたが、ここのガイドトーン(コード雰囲気を決定付ける3rd/7th)を、padにして高音域に配置しました。ダイレクトにコードの雰囲気を出す音を控えめにできます。音量も、そんなに大きくしないほうが雰囲気が出るかも。
ルートは高音域に1拍・アルペジエーター&ディレイで
別にルートでなくても良いと思いますが(笑)、シンセのアルペジエーターで1拍鳴らし、あとはディレイにしてみました。
この手のエフェクト処理は結構フワらせやすいと思います。慣れてくると『休符やメロディ・フレーズの合間などにディレイで合いの手』みたいなのもできるでしょう。
できたサウンド
ドラスティックな変化というわけではないとはいえ、『がっつりマイナーな感じ』は、かなり緩和されたと思います。
あとがき・まとめ
- 通常のマイナー系進行では、暗い雰囲気になりがち
- 7thを入れつつ、3rd/7thは高音域や控えめ音量
- マイナーセブンの11thテンションは、フワッとした感じになりやすい
まとめると、このような感じでしょうか。ダイレクトに3和音だけ、という曲は、すでに世の中に飽和しているので、こういった手法を使って、ちょっと違うところを狙うことができると思います(ただ、動画サイトやsnsでウケるのは、キャッチーで驚きがあり、拡散性が高いものが多いです。バズりだけが正しいとは思いませんけど)。
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