チープで不安定な、魅惑の音色メロトロンを曲に利用する事例(プラグイン)
| 更新: 2024/02/16 | 1715文字
今回は、ビンテージなキーボードでありながら、その強力な個性ある音色で、今なおファンも多い、メロトロン音色を活用します。実機はなかなか手に入らない状況ですが、プラグインで対応してみます。さっそく『特徴・出音・利用事例』などを確認していきましょう。
目次
メロトロンって?メカニズムや特徴は?
実機の特徴
1960年代に登場したキーボードで、「音色が録音された磁気テープを内蔵。鍵盤を押すとそれがヘッドに当たって再生され、音が鳴る」というものです。特徴は以下の通りです。
- 『モーターの回転速度で音程が不安定』
- 『再生ヘッドの性能が微妙で、音が劣化したような雰囲気になる』
- 『テープの長さの関係で、8秒以上ロングトーンが出ない』
ちょっとダメっぽい・ポンコツなんだけど(笑)、『聴く人が聴けば、一発でメロトロンとわかる』など、非常に個性的なキーボードといえます。
実機がないんで、今回つかうプラグイン
前述のように古いビンテージ機材につき、(復刻したデジタルタイプは流通していますが)実機を管理人は持っていませんし、買おうにもなかなか売りに出ていない状況です。
そこで、premier sound factoryというサイトでフリー配布中のKontakt/Structure/exs24用パッチ「MELLOTRON Premier」を使用してみます。Kontaktなどサンプラーが無い場合でも音色大量のサンプルプレイバックマルチシンセには入っている可能性があります。さっそくこれを利用して、各種フレーズを作ってみます。
*現在は配布していないかもしれません。ご了承ください。
メロトロンを使ってみた、いくつかアレンジ事例(管理人作)
プログレ的な香りもただよう、通常のロックにストリングス系キーボードとしてバッキング
ゆったりとしたテンポのロックバラードに、上記のメロトロンパッチでコード伴奏。ストリングス系をチョイスです。この独特の雰囲気と、コード進行(Em D Am B)のせいもあって、エピタフっぽい感じ(笑)。2020年以降では、プログレはほぼ瀕死のジャンルと化しており、一気に流行ることは考えにくいですが、少し雰囲気を変える感じで使うとよいです。
いきなりビットレート上げたような効果になる、イントロ・落ちさびなどに登場
一番目の事例とはうって変わって、テンポが速く盛り上がるタイプの楽曲で、『静か目イントロにメロトロン』という手法です。劣化したような音色という特徴もあるので、(このオーディオはシンプルなんでわかりにくいですけど)ビットレートが上がってくっきり出るような効果が期待できそうです。そのほかのセクションでも、落としどころに使っても良いですね。
ヒップホップ系トラックなどで、メインメロディに使ってみる
ちょっとザラっとしたようなリズムに、結構マッチする感じがします。管理人は歌えないので、ラップはフリー素材サイトからお借りしました。
イントロに(パンク系曲をボカロカバー&シンフォニックアレンジ)
サウンドクラウドにアップ。途中までつくったやつなので何とも言えないのですが、イントロがメロトロンだったと思います。参考までに。
あとがき
このほかにもいろいろあると思うので、特徴をうまく押さえて、楽曲アレンジで利用してみてください。最近では、デフォルトのマルチ音源にも、メロトロン系のパッチが入っていると思います。
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