【音楽理論】ピボット・コードを用いた長2度転調のしかた
| 更新: 2024/02/16 | 1660文字
今回の内容は、前回書いた内容『ドミナント・コードを用いた長2度転調』の続きで、 『もしかして、他の方法論もつかえるかな?』ということで実験してみました。
目次
やはりまず先に、使うキーのダイアトニック和音を押さえる
まずは、全開と同様『そのキーらしい響きを定義するために必要な、ダイアトニック和音』を押さえます。今回は(あまり上げすぎると歌うのが大変だから長2度)FキーとGキーで飛ばしてみます。
Fキーのダイアトニック和音
Gキーのダイアトニック和音
しかし、今回は、前回のドミナントで転調とは異なり、『ピボット・コード』というテクニックを使用します。どんなものかというと・・・
ピボットコードとは?
ピボットとは旋回軸のことで、ピボットコードとは『2つのキーで共通しているコード』で、軸にして新調に飛ばしたりできます。上記の『F・Gのダイアトニックコード』を見ていただくとよいですが、この2つのキーには、どちらのキーにも存在するコードがあり、それをピボットコードとして機能させます。ピボットコードのイメージは、以下の図のとおりです。
ちなみに英語では、この手の『複数のキーでの共通和音』のことを『Common chord』というようです。海外の方のyoutubeでは、このネーミングが使われています。管理人はピボットよりCommonのほうがイメージがつかみやすかったし、アレンジのお客さんに連絡するときも『共通の和音で新しいキーに飛ばしました』と連絡していました。
Common chord (music) 英語版wiki
https://en.wikipedia.org/wiki/Common_chord_(music)
ピボットコードを用いて、新旧キーの共通コードでスムーズに繋げる転調例
ピボットコードの特徴としては、共通音を介するので、スムーズに新調を導くことができます。もとのキーに対して4度上関係(Cに対してF)、5度上関係(Cに対してG)、長2度上(Cに対してD)、短7度関係(Cに対してB♭)などは、共通コードもあるので、ピボットコードなどをつかって、新旧キーを行き来しやすいといえるでしょう。 新旧キー(この場合ではF・G)で、共通しているものを2通り、軸にしてキーを変えてみました。
パターン1:Amが両キーを媒介するパターン
■間奏ひと回し目(コード・B♭ C Am Dm)
■間奏ふた回し目(コード・Am7 CM7 Dsus D7)
■歌部分に(キーG)
パターン2:Cが両キーを媒介するパターン
■間奏ひと回し目(コード・B♭ C Am Dm)
■間奏ふた回し目(コード・C Bm Am D7)
■歌部分に(キーG)
管理人はC媒介のほうが明るくていいかな、と感じましたが、いかがでしょう? 他の関係の調とも共通部分を見つけたり、共通コードで飛ばしたあと、その新調の同主調などに飛ばすなど、いろいろなパターンや響きが得られると思います。
あとがき・まとめ
- 二つのキーの共通になる和音をピボットコード(Common chord)という
- ピボットコード(Common chord)を媒介させて、スムーズに転調させやすくなる
まとめると、このような感じでしょうか。両方のキー和音をおさえて、共通のものがある場合は、媒介させる転調プランを組んでみても良いでしょう。
【カテゴリ】- コード,メロディなど音楽理論
【タグ】-