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【楽曲構成&音楽理論】ドミナント・コードを用いた長2度転調のしかた

更新: 2024/02/16 1754文字

今回のコラムでは、管理人がwebサービスの一環として行っている『ネットで曲アレンジサービス』で対応した話題を、整理できたのでご紹介。転調についてです。 盛り上げ狙いで入れるほか、注文のお客さんが最初から想定していたかもということでやってみました。さっそく、和音進行を中心に見ていきましょう。

転調アイデア使用の経緯→アカペラ時に複数調性圏を想定していた?

依頼者の方より、アカペラ音源のデータをお預かりし、その歌を耳コピーして、 コードやオケをつける作業でしたが、その際に、『全部同じキーでやろうとすると不自然』な部分がありました。

厳密には、半音の3分の1~半分くらいで下げ気味になったりしてる部分もありましたが、ここを調整するときひとつのキーでやってしまうとしっくりこないので、 セクションに応じて転調しました。おそらく依頼者の方には、 (説明できなくても)複数の調性圏をもつメロディが、頭に浮かんでいたはずです。

そのため、曲中でめまぐるしくキーが変わりましたが、 『aメロの調性圏に戻すときに、さび終わり~間奏にかけてコード進行を変え、転調プランを組み立てる』 という方法を取り入れたので、今回はそれにフォーカスしてお話します。

転調プランを練る前に、使うキーのダイアトニック和音を押さえる

転調方法として、『空白をいれていきなりキーを飛ばす』という方法をとらない場合は、『和音をうまく連結して、 新しいキーを導いたり、元のキーに戻ったり』します。(その連結の響き方にもいろんなパターンがあるので、楽しめます)

今回のコラムでは、タイトルどおり(笑)『長2度(半音2つ分)関係のキー』に移動します。 とりあえず(mp3サンプルにもつかっていたので)FとGキーで移動します。 まずは、『そのキーらしい響きを定義するために必要な、ダイアトニック和音』を押さえます。

Fキーのダイアトニック和音

201310052

Gキーのダイアトニック和音

201310053

では、さっそくドミナントコードを用いて長2度とばしてみます

キーチェンジのポイント・次のキーのドミナント

今回のケースでは、以下のコード進行の流れの中で転調しています。Fキーのセクションが終わって間奏に入り、 間奏部分でGキーに切り替わり、そのままGキーのAメロが始まるという(実際のオケでは)流れになっています。

■間奏ひと回し目(コード・B♭ C Am D) ■間奏ふた回し目(コード・Am7 CM7 Dsus D7) ■歌部分に(キーG)

間奏ひと回し目

201310054 調性圏はFです。本来であればDmが来る部分をDにしました。これは次の調性圏Gキーでドミナントとして響きます。これが次のGキーを予感させています。

間奏ふた回し目

201310055 調性圏はGです。前のセクションのDがこのキーのドミナントとして響いて、このキーにきました。 今回はAm7につなげていますが、明るい雰囲気にしたい場合は、直接GやCに飛ばしてもよいでしょう。

オーディオデータ

ドミナント・コードでの長2度転調サウンドサンプルです。

同じルート(たとえばDmとD)でのコードの種類変換は行いやすいので、他のコードでも試してみても楽しいと思います。 一時的にダイアトニックでない(調性内でない・ここではFキー内でD)コードが響くので、その緊張感も狙いどころです

あとがき・まとめ

  • 楽器無し・歌って作っても、転調が想定されている可能性がある
  • 転調前後のダイアトニック和音を押さえ、プランを練る
  • sus→次のキードミナントのような和音がスムーズ

まとめるとこのような感じでしょうか。半音や、今回使った長2度のようにキーを変えるパターンをいくつか押さえていると、歌ものなどには特に有利かと思います。


【カテゴリ】- コード,メロディなど音楽理論
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