キーを半音上げる転調で、ピボットになる和音・マイナー&並行調メジャーでチェック
| 更新: 2024/02/17 | 1655文字
今回は、管理人がネット曲アレンジサービスなどで使っていた転調の話題です。半音上げ転調はわりとありますが、わりと遠い関係のキーに、ピボットコード(転調前後のキーの共通コード)となるコードはあるのでしょうか。早速見ていきます。
目次
ピボットになる和音とは?
以前もコラムに記載しましたが(画像は以前の記事から)、『転調前後のキーの共通・仲介になる和音』のことです。英語では『common chord modulation』のような呼び方をされているみたいです。転調はいきなり上げ下げしても良いのですが、ピボットになる和音があったほうがスムーズにつながります。
特に、半音上げるときは、構成音や調号が一気に変わるというのがあるので、ピボットになる和音があるとよさそうです。
Common_chord(英語です)
https://en.wikipedia.org/wiki/Common_chord_(music)
まずは、任意のマイナーコード進行を、和音連結で半音上げてみよう
お題コード進行はこちら・Aマイナーから、半音上のB♭マイナーへ
(注:#キーだと調号が多くなるので、♭キーで表記しています。) よくある、Aマイナーのコード進行です。Eの#がついている部分は、ハーモニックマイナー由来。 これによりドミナントコードとしての働きが強化されます。後半部分は、半音上げてB♭マイナーキーにしてみました。
ポイント:マイナーのⅥ(AマイナーのときのF)は、半音上のキーのドミナントコードになる
ポイントになるのは、Fの和音。これはAマイナーキーのダイアトニック(キー内の)のコードですが、次の半音上B♭マイナーキーでは、Ⅴドミナントコードになります。Ⅴ→Ⅰは強い進行といわれており、次のキーにもスムーズに進むようです。
メジャー系のコード進行を、和音連結で半音上げてみる
お題コード進行はこちら・Cメジャーから、半音上のD♭メジャーへ
(注:#キーだと調号が多くなるので、♭キーで表記しています。) こちらも、よくある定番のメジャーキー進行。並行調メジャーでかいているので、上記のマイナーと同じく、Fコードがポイントになります。
ポイント:メジャーでは、直接のドミナント進行にならないので、やや弱いか?
メジャーキーで、Ⅲは通常マイナーコードなんだけど、ここをメジャーにする(CメジャーキーでのEメジャーコード)のは、並行調に由来するので、よく使います。今回の転調も、これがピボットになります。 しかし、マイナーのときと違って、直接ドミナント進行で動くわけではないので(上がった後のD♭のⅢメジャーがF)、やや弱い進行かなという印象があります。
あとがき・まとめ
- 転調前後のキーの共通・仲介になる和音がある
- マイナーのⅥ(AマイナーのときのF)は、半音上のキーのドミナントコードになる
- メジャーの場合は、Ⅲ(△、または7)でつながるので、やや弱いかも
上記の2例では、どちらも転調ポイントにFメジャーコードを2こ並べていますが、『後ろのほうをFドミナントセブンスコードにする』などの対応をすると、『次のキーを予感しやすくなるので、歌い手がアタマの音程を取りやすい』などということがあるかもしれません。
特に後半上げて盛り上げるというのはよく使われますので、ぜひお試しください。
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